遠藤周作氏的には、
『イエスの生涯』の続編な位置づけです。
イエスがとらえられ、処刑されていくのを見て、
あろうことか四散した弟子たちが、
いったいどんなことから、
イエスの教えを真に理解するに至り、
(これが、イエスを「見る」っていう体験、らしい)
のちに布教活動に邁進していくのか…という、
ある意味、永遠の謎に迫るもの。
私は信者ではありません。
しかし、あまりに小さいとき(幼稚園年少)から
キリスト教に接してきました。
その結果、ある時期までは、何も疑わずに育ち、
それ以上知ろうとしなかった、
そんな人間です。
極端な話。
わたしの知識は、ごくごく最近まで、
幼稚園の紙芝居レベル、
あるいは、
クリスマス近くなるとみんなで演じた、
聖劇のレベルでした。
いや、ほんとに(汗)。
これらはある意味、
伝えやすく分かりやすく、と
「つくりあげられた」イエスの生涯です。
ほんとうは(何をほんとうと言うかはさておき)、
そこに、もっと複雑な事情が絡んでいます。
それらの複雑な事情を、
遠藤氏はとてもわかりやすく書いておられます。
たとえそれが(ご本人が書いておられるように)
研究史的には不十分な内容であったとしても、
この本は、イエス・キリストをわかりやすく万人に伝える、
という、とても大きな意義をもっていると思います。
読んでいると、
なぜか登場人物を身近に感じてしまう自分がいます。
それはもちろん、
遠藤周作氏の書き方が上手いからでしょう。
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